雲画像を授業で使うに当たってのアドバイス 【アドバイス内容】実践に基づくものです。参考にしてください。項目をクリックしてください。
 
(1)雲の大きさのとらえさせ方
 (2)雲の動きについて
 (3)視点移動に関わる問題
 (4)天気の予測について
 (5)夜でも雲が見える理由
 (6)ひまわり雲画像の正体
 (7)本当に雲があるのか

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雲の大きさのとらえさせ方

 実際に地上から見上げる雲と雲画像で見る雲の大きさは大きく異なります。大きな雲が見えたとしても、雲画像では点でしかないこともあります。

 それでは、どのように雲の大きさをとらえることができるのでしょうか。ここではその一例を紹介します。見通しの良い場所で、自分の立った位置から見える範囲は、どのくらいであるかの見当をつけます。これは地域により事情が異なりますので、地域の実情に応じて、次のことを考えさせてください。遠景に、山が見えるとか、ビルが見えるとか、何か目印になるものがあれば適当です。自分の位置から、その目印になるものまでの距離を地図上で求め、地図上に自分を中心にその距離で円を書かせます。そして、その距離まで雲が一面にあったらということにします。この円の大きさと、自分の住む町の比較、県との比較、日本列島との比較を順にさせます。すると、最初に書いた円の大きさが、日本ではどのくらいになるかを比べることができます。これにより、自分の見える範囲のものは、大きそうに見えても、画像上ではたいへん小さいことがわかります。逆に、雲の画像を見たときに、実感として雲の大きさをとらえさせることができる。

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雲の動きについて

 本ホームページの雲画像集をパソコンにインストールして、雲画像を連続で再生するとき、性能の良いパソコンでは、雲の画面の切り替わり方がたいへん速くなります。また、雲画像集の画像の間隔は、画像集の作成の意図によって異なります。雷雲の発生がわかる画像集では1時間間隔で、台風では6時間間隔になっています。画像集によっては、3時間毎のものもあります。1画面を切り替える毎に、何時間の時間があいているかを確認させることが必要になってきます。これにより、パソコンの性能に依存する「雲の動きが速い」という感想がなくなります。

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視点移動に関わる問題

 児童にとって、雲を上空から見るという経験は、飛行機に乗らない限り、ほとんど経験がないといっても過言でありません。日常茶飯事となっている雲画像をいきなり見せても、雲画像かということで、視点を変えて見ることはできません。まして、気象衛星「ひまわり」の知識は曖昧な場合が多いです。

 そこで、児童には、ものを見る視点を上空へ上空へあげていく必要があります。方法はいろいろあると思いますが、1つの例を挙げます。

 まず、ビデオで、学校の校庭の様子を写します。そして、高い位置より、校庭の様子を写します。ふつうはここまでしかできません。もしあれば、学校の写った航空写真を見せます。

 ここで1つ、ものを上空から見ると違う形に見えるということがあります。富士山なんかは、地上から見ればよく知られた形ですが、真上から見ると、円錐を真上から見ることと同じになります。視点をあげていくときに、形が変わるということも、あわせて指導します。

 上空への視点移動について、ここからはビデオカメラと地球儀を使います。ビデオカメラは気象衛星「ひまわり」とします。気象衛星「ひまわり」は、東経135゜の赤道上空35800kmに位置します。児童に指導にあたっては、距離等の細かいことはさておいて、地球儀をおき、地球儀の赤道上空の位置にビデオカメラを設置します。距離は、地球儀の直径の約3倍半です。これが、おおよその地球と気象衛星「ひまわり」の関係になります。イメージ的に「ひまわり」の位置をとらえやすくします。そして、地球の自転にあわせて飛んでいることを説明します。したがって、これが、静止衛星ということになります。

 さて、ここまできたら、次にビデオで地球儀を写します。そして、パソコンで気象衛星「ひまわり」の雲画像(全球画像)を提示します。すると、ビデオに映った地球儀と雲画像の範囲が同一になります。これにより、雲画像と地球の様子を結びつけることができます。

 なお、日本周辺画像や日本周辺広域画像を用いるときには、全球画像の中から一部をとりだして見ているということを説明します。ビデオで見える地球儀の拡大(望遠)等で地球儀の一部をテレビで見せると効果的です。

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天気の予測について

 気象衛星「ひまわり」雲画像を用いて、子供たちに天気の予測させることは可能です。しかし、そのためには、準備が必要です。

 毎日の天気を克明に記録させることが必要です。天気は1日の中でも大きく変化をします。1日1回の記録だけでは、何ともなりません。せめて、午前はどうであったら、午後はどうであったか、でれれば何時のものかをはっきりさせ、1日2回は書かせます。教師側は、子供たちが調べている時期のひまわり雲画像を集めます。本ホームページでは、これには対応していませんので、他のサイトから集めてください。天気を予測させるときには、6時間〜12時間ごとが適当かと思いますが、自分たちの調べた天気と雲画像の様子を順に比較させます。すると、ほぼ、雲の様子と自分たちの調べたものが一致することがわかります。また、雲画像の動きより、雲がどちらへ動くかわかります。そこで、雲と天気の関係より、雲の動きを合わせれれば、おおよそ天気がどうなるかを予測できます。ただ、雨が降るかどうかまでは予測できません。雨が降るかどうかまでやろうとしたら、アメダス情報を入手したり、天気図をあわせて用いるとよいかと思います。ただ、本ホームページでは対応していません。


ひまわり雲画像の正体

 ひまわりの雲画像は、現在大きく4種類あります。このうち、1種類のみが広く使われています。4種類は、赤外画像、可視画像、赤外強調画像、水蒸気画像です。

 赤外画像は、雲の一番最上部(雲頂)の温度をとらえた画像です。

 可視画像は、光の反射率でとらえた画像です。

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夜でも雲が見える理由

 天気予報で見られる雲は、夜の時間帯でも見られます。天気予報ですからあたりまえでしょうか?。これについて、疑問に思う人はほとんどいません。しかし、あらためて考え見ると、なぜ、そうなのかよくわからないものであります。これは、「ひまわり」の雲画像を赤外画像としてとらえているからです。すなわち、温度の情報のみをとっていますので、夜でもとらえられるということです。

 もし、可視画像ならば、光の反射ですので、夜は真っ暗になります。

 本ホームページで提供しているソフトでは、可視画像の再生にも対応はしていますが、可視画像は1枚も提供をしていませんので、ご了承ください。

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本当に雲があるのか

 見上げたときに雲があるけれど、ひまわりの雲画像では雲がないということはあり得ます。日頃見かける「ひまわり」画像は赤外画像ばかりで、すべて温度情報であるからです。温度が低いところほど白くなります。したがって、温度が低いところほど雲があるというわけです。温度が高いような雲は、比較的写りにくいです。

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